宣伝会議「ブレーン」主催 オンライン動画コンテスト「BOVA」

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News最終審査員 全体講評!

第11回BOVAについて、最終審査員から全体講評をいただきました。



正直、ドラマ仕立ての作品が多すぎてびっくりした。気持ちはすんごいわかるんだけど、クライアントワークという切り口を言い訳にショートフィルムを撮りたい情熱が溢れ出てしまってる勢が多すぎ。そういう中でも広告として成立させている作品が入賞した。しかしBOVAが3分ドラマを表彰する場でありつづけることは、世相を考えるともう難しいと思うので、次回トライする人は違うアプローチを模索することを個人的には推奨します。



今年初めて審査をさせていただきましたが、たくさんの応募作品をとても楽しく拝見しました。ビジネスゴールやマーケティングの目的といった前提が一切無いからこそ、通常のキャンペーンでは見たことのない、自由でのびのびとしたブランドの魅力の表現や可能性を多々発見することができました。また、学生の方の作品の質も非常に高く、たくさん刺激をいただきました。応募いただいた皆様、本当にありがとうございました。



久しぶりにBOVAの審査をさせていただいて、全体のクオリティがすごく上がっていることに驚きました!一般部門も学生部門も、映像のまとめ方がうまい作品が多く、大変審査のしがいがありました。一方で、アイデアや表現手法についてはチグハグなものも多く、そこが受賞できるか否かの分かれ目になったのかなと感じます。受賞された皆様、おめでとうございます!



今年は短尺や縦型の力作が急増していて、今までのBOVAの流れとは違った強い読後感のある作品に出会えたのが特徴的だった。尺や矩形のフォーマットを超えて作品の自由度が拡張した分、コアになるアイデアや切り口の発見力が問われているように感じた。トーンやクオリティでのごまかしがきかない中で受賞作はほかと明確な“違い”があって気持ちよく、自然に票を投じていた。最終審査に上った作品はどれもお見事でした。



BOVAは、映像を担うひとのステップアップになれば良いと思う。それにつきます。ですので、新しい表現を狙っているものを、自分的には選びました。今時のトレンドでいうと、飽きさせない短尺を重ねたものや、ネタが多めのものだったりもしますが。BOVAを「映像を担うひとの場」として考えると、2、3分の長めの尺に挑戦しているものや、クラフトが良いものなども、トレンドに関係なく、良いものは良いと選べればと思いました。受賞作の中では「夢役者たち~」「青春C面」「JEWELRY」が、特に惹かれました。



ここ数年BOVAに関わらせてもらっていますが、年々「YouTuberもの」が増えている印象があります。あと実写撮影なしの、画面収録やアリネガの編集のみで完結しているものもちょこちょこ出くわすようになりました。どちらの案もビジュアルの意外性やストーリーの強さが非常に問われる作風なので、果敢に挑戦している方がいるのがすごく頼もしいなと思って見ています。



「テレビに対してのオンライン」という構図で始まったBOVAですが、ここへ来て広告映像の見られ方が劇的に変わったことによって作品にも審査する僕らの心持ちにも変化が表れてきていることが印象的でした。見応えのある「3分の長尺物語」というこれまでのBOVA感あふれる力作のほかに「コンパクトなショートストーリーの心地よい積み重ね」というタイパ時代の今を象徴する力作を評価している自分が新しかったです。



今年度は応募数も多かったとうかがいましたし、例年以上の力作揃いだったとの全体印象でした。一般公募部門で鋭く目を引いた作品たちは、Webで実際に流しても世の中からポジティブな反応がありそうとの想像がくっきりわきました。学生部門では、イラスト自体やその編集にも工夫が凝らされている作品が印象的でした。広告主部門は、ほかの2部門以上にとても悩みました。そして、課題解決のアングルや手法が鋭く新しいことと、それが企業や商品をリフトアップさせているかを大事に考えました。



一段とレベルが高くなったBOVA、個人審査での選出も難しくなってきている。全体の傾向としては、ドラマものが多く、丁寧に練られた作品も多い。個人的には、シロクマのキャラクターがかわいらしく、丁寧に世界観を創っていた「暮らしが、暮らしを守る」が好きでした。ただ審査基準にもある「今までの常識を突き破る“鋭さ”」を体現した作品にはなかなか出会えない。逆張りでもいい、過去の傾向はぜんぶ捨てて振り切った作品を審査員たちは期待しています。